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(無題)

 投稿者:蕃 一春  投稿日:2017年12月19日(火)21時50分47秒
返信・引用
       隣の殺人事件

 朝7時30分。5階建てアパートの出入
り口に、警察官が二人立っていた。
 建物の近くには、パトカーとワゴン型特
殊車両が止まっている。
 「事故でもあったのかな……」
 私は歩きながら、二人の警官を横目で見
た。
 私は自宅アパートの隣にある駐輪場に来
た。そこに止めてある原付バイクに乗り、
走り出した。
 ―夕方5時30分。私は家に帰って来た。
ダイニング・ルームには、隣に住む姉がい
た。父と話をしていた。
 「ねえ、知ってる? 近所で殺人事件が
あったのよっ」
 姉は新聞の夕刊を広げ、私に見せた。
 「62歳の夫が妻を包丁で殺害」と小さ
く載っていた。
 記事によると、妻は末期の乳がんを患わ
っており、夫は妻を楽にしてやろうと思い
犯行に至ったという。
 「自分の家の至近距離で殺人事件が起こ
るとは……」
 私の口から思わずため息が出た。





 
 
 

(無題)

 投稿者:蕃 一春  投稿日:2017年12月 5日(火)19時06分30秒
返信・引用
       労働者の黙示録

   怪物に 労働意欲 吸い取られ

 大量の木製建具が、工場の生産ラインを切
れ目なく通過する。
 しかし、私の方には仕事が流れて来ない。
 大量の製品がベルトコンベアで流れている
光景を、ただ眺めている他ないのだ。
 私が自ら仕事をしようとすると、上司はこ
う言う。
 「それはお前の仕事ではない」
 ―えっ、それはないだろ!
 私は心の中で叫ぶ。
 怒りに全身が震え、息が苦しい。
 私の職場には怪物が徘徊している。
 奴は労働者から、積極性と自尊心を盗む。
 もはや労働者にとって勤勉と実直さは無意
味だ。
 私自身も怪物に取り憑かれた。
 労働意欲が湧いて来ない。
 しかし、私はあきらめない。
 作業服の内ポケットに拳銃を忍ばせ、工場
に向かう。
 隙あらば、拳銃で怪物の心臓を撃ち抜く。
 

(無題)

 投稿者:蕃 一春  投稿日:2017年11月27日(月)22時30分50秒
返信・引用 編集済
                  日本民族再生計画

 この物語は、一部事実に基づいておりますが、登場する人名・団体名などは全て仮名です。

3月11日。午後2時45分。
 突如として大地が大きく揺れた。
 室内の棚に置かれた物が悉(ことごと)く床に投げ出され、家具や電化製品が倒れた。
 家々の窓ガラスが粉々に砕け散り、屋根の瓦がバラバラと剥がれ落ち、地面に降り注いだ。
 大きく競り上がった大量の海水が、東北沿岸部の諸都市に襲いかかった。禍々しい茶色の渦巻く水が地上にある全てを薙ぎ倒し、飲み込んだ。港の漁船、家、高層ビル、自動車、人、家畜―あらゆる物が水の奔流に消えた。
 破壊された都市は、瓦礫と化した家屋と横倒しになった乗用車、多数の人々の死体で埋め尽くされていた。遠くから、子供の泣き声と悲鳴が交錯して聞こえた。空は火災の煙によって灰色に染まり、太陽は不鮮明に見えた。
 ―都庁の執務室で、東京都知事の右原慎次郎はテレビを見ていた。彼は高級な唐木製の机の上に両肘を突き、しっかり組み合わせた両手を顔の近くで小刻みに震わせた。
 テレビの画面は、瓦礫に埋め尽くされた東北の被災地を映し出した。ニュースキャスターが興奮した声で被災状況を伝えていた。
 右原は椅子から立ち上がった。そして執務室を出た。
 彼はトイレの「大」の個室に入った。
 洋式便器に座った彼は携帯電話を背広のポケットから取り出した。それを使って部下たちに緊急召集をかけた。
 数十分後、小会議室に右原の部下が集まってきた。3、40人程だ。彼らは席に座った。
 会議室の窓には黒いカーテンがかけられ、室内は薄暗くなった。だが、壇上だけはスポットライトで明るく照らされた。
 ドアが開き、右原慎次郎が入ってきた。彼は壇上に立つなり、発言を始めた。
 「今、わが国は、ご存じのとおり危機に瀕している。だが、この未曾有の危機は日本再生の好機でもあるのだ。
 最近の日本人は乱れきっている。この大災害で乱れた人々を洗い流し、その後に理想にかなった人間を産み満ちさせる必要がある。
 まずそれには少子化対策が大事だ。では、諸君に問う。少子化の最大の原因はなんだ?」
 「はい―」
 若い男性が挙手した。紺色の背広を着ていた。
 「女性が育児をしながら働ける企業環境がない事、それと男性が育児に参加しにくい企業環境に原因があると思われます」
 「いや、ちがう。それはだな―セックスできない男が増えたからだ!!
 本来は、男は女を強姦して一人前だったのだ。男とは、女を押し倒してチン●をマ●コにぶち込んで子孫を作るのがあるべき姿だったのだ。
 現代のわが国では女が権力を持つようになってしまった。そのため、セックスできない男が増えてしまった。それが少子化の原因である。
 しかし、これからは違うぞ。この大災害による混乱に乗じて強姦する男が増える。それにより少子化は比較的短期間で解消する。同時に乱れきった社会も浄化されるであろう」
 「・・・・」
 議員席に座った部下の顔には、苦しそうな笑みが浮かんでいた。皆、口を小さく開けたまま、放心したような目を右原に向けていた。
 だが、後ろの席に座った若い男だけは、繊細な唇を歪め、鋭い目を光らせていた。右手に持ったボールペンの先を右原に向けていた。
 ―鳩ヶ谷勇樹は書斎でテレビを見ていた。画面には右原が演説する姿が映っていた。
 「右原の野郎、本当に碌(ろく)な事言わねえなあ・・・」
 ソファに深々と座った鳩ヶ谷はテレビのスイッチを切った。ビデオデッキからディスクを取り出し、それをケースに入れた。
 彼は机の上にある電話を取った。
 「おい、ちょっと来てくれ」
 と、言った。
 1分程して、書斎のドアが開いた。
 「失礼します」
 ダークグリンの背広を着た大柄な若い男が一礼して入ってきた。
 「ちょっとした仕事があるんだが、やってくれるか?」
 鳩ヶ谷は声を潜めて言った。男にディスクを入れたケースを差し出した。
 「はい、わかりました」
 男はディスクを受け取ると軽く一礼し、部屋を出た。
 鳩ヶ谷はにやけていた。これで右原の奴も終わりだ。
 数日後。ネットの動画投稿サイトに、右原の演説映像が映し出された。
 右原の事務所や都庁に市民からの抗議電話が殺到した。職員が連日連夜その対応に追われた。
 動画サイトに映し出された自分自身の演説映像を見た右原はショックを受けた。暗い谷底に回転しながら転落する気分を味わった。
 

(無題)

 投稿者:蕃 一春  投稿日:2017年 8月 3日(木)20時17分44秒
返信・引用
                会回島の鬼婆事件

 初投稿です。どうかよろしくお願いします。
 この物語は、私の祖母から聞いた話に基づいています。

 その昔、会回島という小島に加来林子(からい・りんこ)という少女が住んでいた。
 島の中心には小さな泉があり、その脇の大岩に掘った洞穴(ほらあな)に林子は住んでいた。
 彼女には鳥を操る能力があり、島の民から生き神として崇められていた。
 彼女が住む洞穴のそばには、擂鉢(すりばち)状の大穴がある。そこには鬼婆が住むと噂され、島の者は誰も近づこうとしない。
 ある日の事。林子はいつものように鳥を操っていた。彼女の頭上を鳥の大群が飛び回り、やかましく鳴いていた。
 ギャーギャー、ギャーギャー、ギャーギャー、ギャーギャー。
「うるさあああああぁぁぁぁぁぁぁ~~~~~い!!」
 地面の大穴から、耳を劈くような大きな怒鳴り声が飛び出した。
 林子は驚き、地面にしゃがみ込んだ。鳥の群れが次々と墜落した。
 大穴から鬼婆が姿を現わした。顔は皺だらけでバサバサに乱れた髪は真っ白だった。皮と骨の痩せた体に黒い着物を着ていた。
 「なぁ~ぜわしの眠りを邪魔するゥ~」
 鬼婆はしゃがれ声で言った。
 「お前の方こそうるさいではないか―」
 林子は立ち上がった。赤い袴に付いた土埃を両手で払った。
 「鳥がびっくりして全部伸びてしまったではないかっ」
 彼女の周りを鳥の死骸が埋め尽くしていた。みんな腹を見せて死んでいた。
 鬼婆は彼女の言葉に答えようとせず、大穴に戻っていった。
 林子は鳥の死骸を集めた。そして地面に小さな穴を掘り、そこに鳥を葬る。
 夕方までに、一九九三基の墓が出来た。それらは土を盛り上げた小さな墓だ。
 次の日。林子は洞穴の中で、壷に入れた液体を木の杖でかき回していた。
 程よくかき回したところで壷に蓋をし、洞穴の奥の暗く涼しい場所に置いた。
 一年後。壷の中の液体は発酵し、酒となった。
 林子は酒入りの壷を持って、鬼婆の住む大穴に行った。
 「私と友達になって下さい。お酒をお持ちしました」
 彼女は壷を鬼婆に差し出した。
 鬼婆は大いに喜び、ゴクゴク音を立ててそれを飲んだ。
 「うっ・・・!」
 鬼婆はその場に倒れた。大きく目を開けたまま動かなかった。それを見て林子はニヤリと笑った。
 彼女は大穴の奥に入った。そこには二人の少年がいた。
 二人は加取先固羽(かとりせんこう)と、五気不里(ごきぶり)と名乗った。
 「ブーーーッ!」
 彼女は思わず噴出してしまった。
 五気不里は色白で繊細な容姿をしていた。だが、右足が膝から下が欠損していた。
 林子は鬼婆の口から入れ歯を外した。それには歯が四九九三本もあった。
 彼女はその入れ歯を泉の中に投げ入れた。
 青く澄み切った水の中に、入れ歯は急速に沈んでいった。
 突然、地面が大きく揺れた。
 身の危険を感じた三人は小船に乗り、隣の予下島(よかじま)に逃れた。
 まもなく、会回島は大地震により海底に沈んでしまった―。
 予下島に移り住んでから暫くして、林子は男の子を産んだ。万十田辺路である。彼は後(のち)に饅頭の発明者となった。
 肉まんとあんまんと栗饅頭を作り、饅頭博士として名を馳せた。しかし、自ら作った毒饅頭を誤って食べてしまい,それが原因で死んでしまった。
 彼の魂は辺りを彷徨い、心霊写真に写って自分で驚いて伸びてしまった。
 一方、林子は予下島を拡げ、大陸を創った。そこに自分で作った子供達を住まわせた。そして朝と夜を作った。
 加来林子はこの世界の創造主なのである。
 

(無題)

 投稿者:蕃 一春  投稿日:2017年 7月29日(土)12時35分9秒
返信・引用
       子供替えの時代

 バカそうな子供が、机の上に頬杖をついて
いた。鼻水を垂らし、ポカ~ンと口を開けて
いた。
 若い母親は、鉛筆でノートに計算問題を書
き、それを解くよう命じた。
 ”4+8+9+1=”
 子供は鉛筆を握り、問題の答えをたどたど
しい字でノートに書いた。
 「何よそれはっ!! そんな問題も解けな
いの!!―」
 母親は怒りを爆発させた。
 「あんたみたいなバカ死ねばいいのよ!!」
 母親は子供の首を両手で力いっぱい締め付
けた。子供の顔が急速に青白く変色してゆく
―。

   赤ちゃんポストをご利用下さい。
     政府からのお願いです。

 未来の日本は、子供替えが当たり前になっ
ているかもしれません。
 信じるか否かはあなた次第です
 

現代の徳川幕府

 投稿者: 蕃 一春  投稿日:2016年 9月12日(月)22時33分47秒
返信・引用
   水害で壊滅的被害を受けた地方都市に、政
府高官が視察にやってくる。
 彼は側近に負ぶさり、泥まみれの道路を移
動する。
 高級ブランドの靴を汚したくないのだ。
 まさに現代の殿様。
 今徳川だ。
 どうせなら、籠に乗って側近に担いでもら
って移動したらいい。
 
 

飢狼の宴

 投稿者: 蕃 一春  投稿日:2016年 9月 3日(土)20時07分13秒
返信・引用
   半グレ集団の台頭が止まらない。
 不良や暴走族でもなく、ヤクザでもなく、
愚連隊とも違う。
 彼らは純粋な意味での犯罪集団である。
 遊びやファッションの集団ではない。
 この国から、不良がいなくなった。
 学校や地域社会が、彼らを異物とみなして
排除したからだ。
 その結果生まれたのが、半グレ集団である。
 

多数派国家への道

 投稿者: 蕃 一春  投稿日:2016年 7月28日(木)22時50分42秒
返信・引用
   多数派社会、ここに極まれり。
 熱烈な優生学支持者が、少数派の大量虐殺
を実行した。
 少数派抹殺政策―T4作戦の悪夢が、日本
で再現されたのだ。
 わが国はこの事件を機に、多数派社会から
多数派国家へ大きく舵を切るであろう。

 
 

私の上司を紹介します

 投稿者: 蕃 一春  投稿日:2016年 2月 6日(土)20時10分24秒
返信・引用
   彼の言う事は何でも正しい。
 間違っていても正しい。
 しかも彼には、間違いを正しくする能力が
ある。
 間違いは正しく、正しいは間違い。
 彼の名は、親愛なる首領(ドン)。
 

子供の本音

 投稿者: 蕃 一春  投稿日:2016年 1月21日(木)21時07分58秒
返信・引用
   この作文は、埼玉県S市S町在住の小学5
年生 ペンネーム 学生自由クラブが書いた
ものです。

     うちのどくさいしゃ

 ぼくのおにいちゃんは、どくさいしゃです。
 ぼくをおどして、テレビゲームやポテトチ
ップスをひとりじめします。
 おにいちゃんは、むかし、おかあさんから
おなじことをされていました。
 そのうっぷんを、ぼくにぶつけているのだ
とおもいます。

 素直な気持ちがよく表現された作品です。
最近の子供にはなかなか書けないと思います。
 現代は、子供が本音を言えない時代です。
不平・不満を作文に書いただけで危険人物扱
いをされてしまいます。
 なんだかいやな時代ですね。
 

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